報道の論理性

こんばんは、sumaです。



最近の異物混入問題の報道についてです。


報道の本来の目的は正しい情報を伝えることですが、

様々な演出やコメントから報道における情報に歪みが生じます。


また、受信側の私達も歪みが生じていることを前提に、正しい情報を認識しようとする努力が必要です。



今回の異物混入の報道について。



事件発覚時、ある患者の死因が中毒症であり、点滴の中に界面活性剤が混入されていた、という内容でした。


これは事実だと思います。



しかし、次に点滴の泡立ちによって違和感に気づいた、という看護師の発言に対して、

司会やアナウンサーの「点滴が泡立つんですか?あり得ないですよね」など、泡立つ点滴がないかのような発言は正しい情報とは言えません。

変な話、一般の人が病院で点滴を振って、もし泡立ったら不安に感じますし、患者と家族への対応業務が増えるんじゃなかろうか?


また、80床前後の病院で、2ヶ月間に50人が死んでいた。


という報道に関しても、それが「多いだろう」という印象はわかるけど、

同病院の前年度との比較や他の病院との比較がないまま、

偉い先生を呼んで「あまり聞いたことありませんね」っていうコメントをもらって

司会が「そうですよね、2ヶ月で50人死ぬなんてあり得ませんね」「やっぱり、おかしいですよね」みたいな発言で


死亡数から予測できないこと=業務上の過失みたいな報道の撮り方はやめて欲しい。



統計マジックがすべてじゃないけど、少なくとも生のデータをもとに話すべきだし、偉い先生のコメントはあくまでコメントです。


感想文を、論文みたいに扱わないでほしい。



そして、今回の事件に関しては、現段階は犯人の特定に限る情報に留めるべきだったと思う。



病院で起きた事件だから、その信用問題はもはや回復困難な状態かもしれないが、

犯人特定以外の報道は病院の問題を露わにし、信用をいたずらに失わせる。



そしておそらく、組織の問題を一所懸命に改善したとしても、それは報道されない。


つまり、報道は解決できない信用問題を過剰に起こしている。



この論理は、自分で転んだ傷を、面白がっていじるような行為で、大人がする行為じゃない。


分別をわきまえて報道してほしいし、報道をみてほしい。



根拠も明らかでないのに、印象と演出だけで結論付けようとする報道に疑義を感じてほしい。



これは、SNSでも同じ。



犯人は明らかに悪い。



病院が悪いかどうかは、因果関係を明らかにしてから責めてくれ。


可能性なんて、このストレス社会ではどこだってある。




だから、病院とその他大勢を勝手に巻き込むな。



suma's  occupation

suma's Occupationー作業療法を楽しむためにー

日々積み重なる作業、そして繰り返される日常 その作業-Occupation-にどんな意味があるのか、僕達に何をもたらすのか 僕は作業療法士のsuma 僕が考える作業-Occupation-について、書き綴ります

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