作業療法理論って知ってる?2
こんばんは、sumaです。
ということで、ここでは、僕が独断と偏見で臨床で使用しているモデルについてご紹介します。(おいおい)
あ、前提としてモデル同士で優劣がないことを先に言っておきます。
それぞれのモデルは、クライエントの状態によって適しているか否か、有用か否かが相対的に変化することを前提に考えてください。
では、本題。
作業遂行と結びつきのカナダモデル(CMOP-E)
OTの代表的なモデルです。
代表的な評価尺度にCOPMがあり、重要な作業について遂行度、満足度を尋ねる手法は、クライエント中心の作業療法を行うのに有用です。
しかし、この尺度はモデルのごく一部です。
このモデルは、クライエントの捉え方を人、作業、環境の3つを視点でみています。
詳しくは侍OTさんのブログをご参照ください。
ここで重要なのは、どんなクライエントに使えるのか?ということです。
生体力学モデルは、運動機能に問題がある人に適しています。
運動コントロールモデルは、運動学習における問題を解決します。
CMOP-Eはどうでしょう?
人、作業、環境を捉えるモデルですから、そのいずれかに問題がある時に役立ちます。
こう見ると、生体力学や運動コントロールモデルに比べて、広範囲にわたる問題を包括的に捉えることができます。
なので、自然と対象は広がります。
しかし、欠点として問題解決には大雑把すぎて、直接的な介入方法は他のモデルを活用しないと効果的に行えません。
まず重要なのは、全体像からどこに焦点を当てたら効果的な介入になるのか、を見出すことです。
この点で、CMOP-Eは有用です。
このモデルを用いて、クライエントにとって必要な課題が運動機能にあれば、生体力学モデルを適用した方が効率がよいでしょう。
あるいは、運動コントロールに問題があれば、運動コントロールモデルへと繋げると良いでしょう。
作業療法発信のモデルの多くは、OTのリーズニングを助けるものです。
次は、人間作業モデルです。
人間作業モデル(MOHO)
こちらもクライエントを包括的に捉えるのに有用なモデルです。
何と言っても特徴的なのは、人が作業を行うに至る過程を明らかにしていることです。
MOHOでは、
人が作業行動を起こすためのサブシステムとして、
意志、習慣化、遂行能力の3つがあることを示しています。
ICFで言うと個人因子の部分を詳しくしています。
意志は本人の興味や関心、さらに個人の作業経験によって表されます。
習慣化はご自身の習慣と役割によって表されます。
遂行能力は運動技能と処理技能、コミュニケーション技能によって表されます。
あれ、環境は?と思った方。
ちゃんと環境もあります。物理的環境と社会的環境で表されます。
人間作業モデルは、クライエントがなぜ作業をしないのか?という問題を紐解く糸口になりやすいです。
この2つは、作業科学と作業行動学という学術的基盤を備えていますので、より詳しく知りたい時はそちらも学ぶと良いです。
ちと長くなりましたが、
多くの理論を学び、適切に使えるOTになることで
多くのクライエントの健康と安寧を支えていきましょう。
suma's occupation
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