第51回OT学会、発表します。
こんばんは、sumaです。
ご無沙汰しております。
もう、あっという間にひと月半が経過してました。
Twitterは情報収集に毎日見るけど、
blogでのアウトプットは疎かになりますね。
さて、8月から今日まで何をしてたかというと、
8月中旬に研究助成を一件応募して、
下旬にOT県士会で講演して、
9月あたまから評価実習を3週間。
そしてあっという間にOT学会というわけです。
ほんと、年とんの早いわ。
それはさておき、本題のOT学会について。
去年に続き、OT学会では手外科領域のThemaで発表します。
去年は橈骨遠位端骨折術後の性格因子が、術後6ヶ月の生活にどう影響するかってやつ。
今年も同じく橈骨遠位端骨折です。
うちは、掌側ロッキングプレート固定後、翌日から手関節の自他動運動を許可していました。
やや早いな、と思う方もいると思いますが、今回はそれどころじゃありません。
医師とディスカッションを重ねた結果、うちは手術直後から動かすことにしました。
なぜなら、痛みなく動かせる唯一の時間だからです。
この、「痛みなく動かせる」ってのにはなかなか良い効果があって、
強ーい痛み体験は、慢性疼痛に繋がるきっかけの「痛みの破局化」を引き起こすのですが、
術後に痛いと「怖くて動かせない、、、」とかいらぬ不安を生むわけです。
この悪循環を示すモデルを恐怖回避モデルといいます。
つまり、疼痛を素因に、痛みの捉え方(認知、情動的側面)が変化することで慢性疼痛に移行しやすくなるのです。
時系列で見て行きますと、
1、受傷時の痛み
2、術前までの待機期間の痛み
3、術後の痛み
4、運動時の痛み
と言うように、痛み体験は次々と押し寄せてきます。
われわれのプロトコルでは、術後に自他動運動を始めますから、3から4の間は1日です。
しかし、どうもリハ開始時には既に関節可動域は不良なことがあるのです。
また、不思議なことに、医師は「もっと可動域は良かったはずだ」と言うのです。
そこで、僕らが目にした時点での可動域と医師が術中に見ている可動域は違うのではないか?と考えました。
当院の橈骨遠位端骨折に対する手術では、全身麻酔と神経ブロック麻酔を併用しています。
実は全身麻酔が切れて目が覚めても、術側の上肢は麻酔がかかった状態にあります。
これが、痛みなく動かせる時間なのです。
しかし、麻酔がかかっているため自動運動は出来ません。
そこで、術後すぐに病室へ訪問し、痛みの無い手を見ながら、どの程度動くか、術後の可動域を互いに認識するのです。
この経験があると、「手術してすぐなのに動くはずないだろー」という考えが、「あん時は動いたんだから、出来るはずだよなー」と変化します。
また、手術直後の掌背屈可動域と、24時間後の翌日の掌背屈可動域では平均50度前後低下していました。
たった1日で42%も可動域が低下するんです。
そこには疼痛、浮腫、筋緊張など種々の問題が生じていますが、
重要なのは、術後すぐから翌日までの1日間の上肢管理を再考することです。
今日と明日、その内容について報告しますので、お時間があれば探してみてください。
それでは。
suma's occupation
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